富山の県都は公共交通が充実 富山市

コンパクトシティへの取組み、富山市の公共交通機関

富山市内を走る公共交通のLRT富山市にかぎらず地方の都市は、そこで暮らす人達の動線の長さが課題になります。家から学校まで、会社まで、買い物をするためのスーパーまですら自動車が必要になったりします。これは距離の問題もありますが、公共交通がないことも要因であり、一方でマイカーの普及とは「ニワトリとタマゴ」の関係なのかもしれません。

いずれにせよ富山市では、行政コストの削減や住みやすい街づくりを目指してコンパクトシティへの転換を図ってきました。公共交通を活性化してみんなが利用するように促し、そして利用者の増加を誘引するために便数の充実なども実施しています。低炭素社会を目指すために取り組んでいる街を評価している「環境モデル都市」にも指定されました。OECDの中でもメルボルンやバンクーバーといった世界的に有名な都市とならんでコンパクトシティの先進モデル都市にも選ばれています。

富山市が活用している公共交通の仕組みはLRT(ライトレールトランジット)と呼ばれるもので、これは電車とバスの中間にあたるような交通手段です。基本的にレールの上を車両が走るのですが、一般道路では他の自動車などと共用する部分を走行するなどして、設置や運用などのコストを抑えられるようになっています。乗り降りするのは「駅」ではなく「電停」と呼ばれる施設で、ちょっと立派になったバス停を想像してもらえるとわかりやすいかもしれません。慣れない人にも利用しやすい乗り物になっていて、通勤通学の足としてはもちろん、高齢者が気軽に移動できるための福祉機能としても大変に活用されています。

富山ライトレール株式会社

ひろーい富山市、全国で11位の面積をほこる

広い富山市富山市で公共交通機関の需要が高まったり、あるいはその取り組みが功を奏するようになったのは平成の大合併による市域面積の拡大があったからかもしれません。合併前には前の富山市とあわせて10もの市町村でした。特に山間部の町や村は人口とくらべて面積が大きいのが特徴でもあります。そのため合併後にはとてつもなく広い県都富山市が誕生をして、課題も大きくなったものの取り組みやすい環境になったことが考えられます。

全国の市を面積で比較すると上位にランクインするのは地方都市ばかりです。岐阜県の高山市がトップであり、そのあとには浜松市や日光市などが続きます。富山市はその中で11位になっています。2,000平方キロメートルを超える高山市は少し別格といった感じですが、他の市は上位であっても富山市を大きく引き離すものではありません。それだけ富山市は広い面積を持っているということです。

もともとは別の市町村でしたが、県都を中心として合併をしたので市全域でのまとまり感は悪くないようです。交通機関も市中心の市街地をハブとして市内各地に伸びるような形になっており、「田舎」であるわりに移動の手段に不便がありません。文化的な施設の充実は古くから評価されていた富山市ですが、移動の利便性も向上してさらに住み良い街になっています。

家族で楽しもう、富山市の観光

富山の名峰、立山の風景富山市内で観光スポットを紹介しようとすると、なんとなく家族連れをイメージしたような内容になります。もちろん、カップルやグループ旅行、一人旅にも奨められる場所もたくさんありますが、ファミリーでの旅行を考える人に特にお奨めなのが富山かもしれません。

たとえば立山の自然を感じてのんびりできる山麓の地域では、子どもたちものびのびと遊べるような場所がいくつも整備されています。人工的な場所ではなく大自然に包まれるようなところなので、ゴールデンウィークなどには多くの家族連れで賑わいます。外で遊ぶことよりも本を読んだりするのが好きな子供ならば、歴史や文化に触れるコースも気に入ってくれるかもしれません。富山城を中心とした旧来の市街地には多くの歴史資料が建物として残っています。広い市域には豪農の建築物などが観光スポットとして保存されていて、こちらも地味ながら密かな人気になっています。

元気に遊びたい子供たちには、市民も多く利用しているとやま健康パークもお奨めです。健康づくりを目的としたさまざまな施設が用意されていて、日常的な健康トレーニングもできるようになっています。そもそも市民の健康を促進するために作られた施設なのですが、市外から来た人にもいちど立ち寄ってもらいたい魅力があります。

お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも、子供と一緒に訪れられるのが富山市の特徴といえるかもしれません。交通手段や設備の充実、恵まれた自然環境を生かして楽しめるようになっています。

富山市観光ガイド
観光とやまねっと